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私は、本院開設25周年にあたり、ここに掲げた院是を病院の憲法として医療をすすめて行きたいと書きました。早いもので、今度は30周年にあたってのご挨拶を申し述べることとなりました。私たちの憲法である院是の精神がこれまで活かされ、患者さんの診療方針を立てる上での心棒になってきていたかを検証する作業を続けていきたいと思います。
振り返りますれば、開院当時、世間は医師の倫理について喧々囂々の議論がありました。この院是が医療にたいする社会の風潮を意識したものでもありましたが、この精神の原点にはヒポクラテスの医の倫理思想を見据え、わが国の近世洋学の流れを汲んでつくりあげたものであります。一部の愚昧な政治家が自主憲法などと騒ぎ立てていますが、われわれは自主という言葉の罠にかかることなく、世界人類文化が到達した普遍的精神に基づいた現憲法をしっかり活かす日常の仕事を成し遂げていきたいと考えます。
世は今や、医療を経済の下僕としてぬかずかせ、利を貪るものたちによって、貴重な国民の財産である医療制度は壊されています。医の倫理を語る為政者はありません。自主憲法を称揚する為政者たちによって保険医療は崩壊に直面して、患者さんの経済的苦しみが増し、医療を受け難くなってしまいました。
私は、今こそ、30年、当院の活動の鏡となってきた院是をかかげ、職員と一丸となって、患者さんとともに医療を守っていきたいと考えています。
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