栄養相談室

バランスのとれた食事の基本 《その2》


前回(ひろば118号)、バランスのよい食事とは何を食べたらよいかを挙げました。今回は更に「どれだけ」を加えればよいか考えてみたいと思います。

盛られるもの

役割〜栄養素名

@の器

(主食)

ごはん、パン、麺など

体を動かすもとになるもの

〜炭水化物

Aの器

(主菜)

肉、魚、卵、大豆製品など

体を作り上げる材料になるもの

〜タンパク質

Bの器

(副菜)

野菜、海草、きのこなど

体の調子を整えるもの

〜ビタミン、ミネラル

 Bは全体的にカロリーの低いものがほとんどで、多く摂ったとしても(肥満に繋がるとか)それほどは問題になりません。また、Bに主に含まれる栄養素である「ビタミン」「ミネラル」といったものは体内に長い間置けないものが多いです。加えて体内のお掃除役である「食物繊維」と呼ばれる栄養素もこのBには多いのでむしろたくさん取るぐらいに考えた方が良いかもしれません。(但し極端に多くとると下痢をします)

 目安としては1回の食事につき、最低でも100g程度は摂ると良いでしょう。

お浸し、酢の物、サラダ等小鉢に入りそうなものはおおよそ5080gぐらいと思われますのでそれと主菜のつけ合わせ、汁物の具等をあわせて食べれば100gという数字はクリアできると思います。

 Aは「タンパク質」と呼ばれる栄養素が主に含まれます。これは体を作る材料としての役割が主だったもので、当然成長期等には沢山必要としますがそうでなければそんなに沢山は必要としません。また、Aには「脂質」も多く、カロリーが高いものが多いので摂り過ぎると間違いなく太ります。いわゆる美味しいものが多いのでついつい多く摂り気味になりがちですが目安として1日で

   卵1個 魚7080(切身で1枚程度)

  5070 豆腐1/4丁(または納豆1個)

このくらい摂れば充分です。

 @は「炭水化物」と呼ばれる栄養素が主に含まれます。これは体を動かすもと、つまり燃料としての役割が主だったものです。単純に考えればよく動く人は多めに、あまり動かない人は少なくてよいということがいえます。その人がどれくらい体を動かしている環境にあるかで異なり、目安は具体的に挙げにくいのですがあえて挙げるならば御飯で考えて
  1食につき茶碗1杯〜2杯ぐらいといったところでしょうか。
 以上挙げた量を目安として考え三度の食事を摂っていただければ栄養的にほぼ完璧な食事といえます。

 更に三度の食事の中には材料として入れづらいが1日の中で必ず摂って頂きたい物が二つほどあります。それについては次回説明させて頂きます。

 

―ご注意―
 ここで挙げさせていただいた目安量はあくまで一般的な成人の方が対象です。糖尿病等のエネルギー制限がある方は主治医や栄養士等にお尋ね下さい。

 (金子幸男)