簡易減量法
-毎日の体重に関心をもとう-


 体重を減らすことを世間ではダイエットと呼んでいます。英語で食事のことをダイエットといいますし、実際減量を目指した規定の食事をダイエットともいいます。しかし、規定の食事の献立で、総カロリーがいくらいくら、そのうち炭水化物が何グラムなどときめても、数多い献立表をもらっても覚えられませんし、実行できるヒトはごくわずかです。幸い私たちはふつうの食事をしていれば栄養も、カロリーも、健康を維持するのに不都合はない環境に暮らしています。
 やせようというのにダイエット=食事といって、なにを食べるか、なにを食べないかと食べることにばかり気をつかい、栄養の偏った一品主義になります。テレビや週刊誌などで勧めるダイエットはこのたぐいで、結局変なものを買わされてしまいます。肝心の体重は月に二、三回はかるだけというのが実状です。
 そこで誰もが実行可能で、継続できる減量法を提案します。

 まず自分の体重が本当に減量が必要かを決める一つに標準体重という考え方があります。

標準体重=(身長)×(身長)×22 身長はメートル単位

 BMI(Body Mass Index)=体重÷身長(メートル単位)の自乗 標準を22とします。24以内を目安とします。(身長1m70cmセンチの時は1.7として計算します。)
 まず、最低100グラムの単位で計れる体重計を用意する。体重を毎日、朝、晩、はだかで量る。具体的には入浴時、起床時にはかる。これを記録する(病院に記録用紙がありますから申し込んでください)。体重をキロ単位でなくグラム単位で観察する。一般に朝の体重は晩よりも400〜500グラム軽い。もし、朝の体重が前の晩の体重を超えるようでれば着実に肥満は進行中である。前日の朝の体重より100グラムでも200グラムでも低ければ、減量は成功です。

 毎日の体重から、自分の食事の取り方を“反省”します。宴会が続いたり、間食したり、運動が少なかったりといった問題点が見つけられます。これも記録しておくのもよいでしょう。これにより、問題になる食習慣、生活習慣を自分で発見し、生活の中でただしていくことができます。
 この減量法を実際に患者さんに実行してもらいますと、月に1〜2キロのペースでやせていきます。習慣をただすことで減量するのですから、一気に体重が減るわけではありません。体重に関心を持つことができれば、減量は成功です。
 おもしろいことに冬の間はどうしても体重が減らないという悩みがありました。これは運動不足もありますが、人間の体が寒さに備えて脂肪を貯蔵する自然の摂理も関係します。春から夏、新陳代謝が活発になってくる今が減量のチャンスです。

(A)