口腔ケア
 肺炎予防には欠かせないケアです


 病棟では毎日朝、昼、夕と一日三回の口腔ケアを行っています。

 口腔ケアの目的は次の三つです。 

(1)微生物の繁殖を防ぐとともに感染を予防する(口腔内には舌・歯・扁桃などがあり皺襞に富み、温度・湿度・食算残渣という条件が加わって微生物が繁殖しやすい状態にある)。

(2)唾液の粘稠性、食物残渣による悪臭を取り除き、むし歯を予防し爽快感を得る。

(3)歯肉を刺激して血液循環を良好にし、歯肉をひきしめる(歯槽膿漏の予防)。

 患者さんが入院したら家族の方に歯ブラシとコップを用意していただき、歩ける患者さんは洗面所で御自分で行ってもらいます。

 治療上、床上安静が必要な患者さんには毎食後ガーグルベース(含嗽用膿盆)を配り、口腔ケアを行い、ガーグルベースに排泄してもらいます。

 寝たきりの患者さんや手指の障害や症状により歯ブラシが使用できない患者さんもいらっしゃいます。その場合には売店で販売しているスポンジ(ハミングッド)をご家族に購入していただき、看護婦が口腔ケアを行っています。

 毎日の生活の中で歯磨きは何気ない、当たり前の動作のひとつですが、入院生活の中では、肺炎を予防する為に最も重要なケアのひとつなのです。

(西野 かおり)