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介護保険でのサービスの選択は、利用者・家族自身に委ねられています。しかし実際には、ケアマネージャーの助言や情報提供なしではサービスの利用は困難です。そのため、ケアマネージャーが利用者・家族からの要望に沿って居宅サービス計画書を作成しているのが現実です。それには、各サービス事業者が利用者等の支 援について共通の目標を持ち、個々の役割分担を認識することが非常に大切となります。 |
例T Sさん:66歳、女性、高齢世帯、要介護4、介護者:夫、在宅生活希望 Sさんは、疾病発病後左上下肢不全麻痺となり運動機能障害が出現した。ADL(日常生活活動)が低下し精神的不安を強く訴えるようになった。屋内での生活はなんらかの介助を要し日中はベッドでの生活が主体、移動は車椅子、排泄はオムツ使用、食事は介助が必要な状態であった。Sさん・家族ともに訪問看護による筋力向上のリハビリ、訪問介護による入浴介助、清拭、掃除、洗濯等、福祉用具のレンタルを利用しながら、在宅での生活を希望されています。 |
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ケアプランI 利用者名 S 様 週間サービス計画表 |
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<結果> 日中での座位時間が長くなり、つかまり歩行も可能となり、食事は自立、排泄は見守り・一部介助で可能となりました。また積極的に車椅子使用ですが散歩が出来るようになりました。 |
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例U Mさん:79歳、 Mさんは、日常生活で行動や意思疎通の困難さが多少見られましたが、屋内ではつかまり歩行、屋外では車椅子使用、食事、排泄は一部介助。ベッド上での生活が主体であるが座位は保てました。ケアプラン作成にあたり、Mさん・家族の要望は、筋力低下を予防するためのリハビリ、引きこもりからの脱出、妻の介護負担の軽減(特に入浴)です。 |
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ケアプランU 利用者名 M 様 週間サービス計画表
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<結果> ケアプランをみる限り引きこもりからの脱出、妻の介護負担の軽減(特に入浴)については目標が達せれたようです。しかし、筋力低下予防に関するプランはなく、水曜日の訪問入浴の必要性は全く感じられません。このプランに対してMさん・家族とも不満を持っており、満足出来ていない様子でした。この症例は、せんば事業所の担当ではありませんでしたが、その後ケアマネージャー・Mさん・家族との話し合いでケアプランが改善され、現在では杖歩行の生活をされています。 *この2例から考察すると、ケアもリハビリテーションも利用者と専門家が車の両輪となって、資質の向上を図る必要性があることを痛感しました。 【せんば指定居宅介護支援事業所、在宅介護支援センターせんば】 |