CTにおいては各骨(肝臓においては肋骨)からのアーチファクト(偽像)や、肺との境界面におけるエッジ効果やマッハ効果といったCTの機械的なアーチファクトが存在するため、肝臓の造影検査においてはこれらを考慮し画像を読影することが必要になります。 一方、MRIの肝臓領域においては、大動脈による位相エンコード方向におけるアーチファクトのみです。 下に二つの図があります。図1がCTで図2がMRIです。同一の84歳、男性の患者さんのものです。双方とも造影剤を使用しています。CT上では肝臓が造影剤により淡く円形に染まっている部分が認められます。また、MRI上では造影剤によりコントラストがつき肝臓の中に円形のものが写し出されているのがおわかりいただけると思います。これが肝細胞癌(HCC)です。HCCに限らず悪性の病変は血流に富み、動脈血が栄養血管であることが少なくありません。従って、造影剤を使うことにより他の正常な組織とのコントラストがつき画像上で写し出されることになります。 |
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(放射線技師 鈴木) |