CT上、頭蓋内の出血性病変は高吸収域として抽出されます。この高吸収値は凝血中のヘモグロビンに由来されるとされています。発症後1〜2週間までの出血性病変はCTスキャンを行うことによって、出血の部位、形、拡がりを知ることができます。
 下図はクモ膜下出血の患者さんを撮影したものです。クモ膜下腔に血液が流出した状態です。原因としては、頭部外傷、脳動脈瘤の破裂、動静脈奇形、モヤモヤ病などがあげられます。症状としては、激しい頭痛、嘔吐などの髄膜刺激症状や意識障害が急激に出現します。治療は破裂部位に対してクリッピングが行われます。
 この患者さんは他院に紹介になり、破裂脳動脈瘤(左内頚動脈―後交通動脈分岐部)に対して血管内手術動脈瘤コイル塞栓術を施行されたそうです。その1ヵ月後、無事独歩退院されたとのことです。
            
( 放射線技師 鈴木)