タンパク質は、英語では「プロテイン」と言いますが、これはギリシャ語の「第一にとるべきもの」という意味からきています。この言葉どおり、筋肉や内臓・皮膚・髪の毛・爪・血液・骨等の構成成分、ホルモンや酵素の他、神経伝達物質・免疫物質等の原料になりますので、とても重要なものです。主なタンパク質源とは、肉・魚・卵・大豆(納豆や豆腐等)であり、主菜(メインディッシュ) になるものです。朝・昼・夕食時にこれらの物をきちんと食べていますか?朝はパンやおにぎり、昼はスパゲッティやサンドウィッチだけで済ませていませんか?このような食事の摂り方は、カロリーを抑えていても糖質に偏った太り易い食事になり、タンパク質や野菜の摂取量不足に陥ります。
 栄養指導を行っておりますと、食事はいつも控えめにし、肉や揚げ物は食べないようにしているのにちっとも痩せないとあきらめてしまっている方が多いようです。しかし、正しい食事の仕方をしていれば、標準体重(身長m×身長m×22)をキープすることは可能なはずなのです。

 実際のところ、食事の量を減らしても糖質に偏っていたり、空腹感からお菓子類をついつい食べてしまっている方が多く見受けられます。スーパーやコンビニで売っているお菓子やお土産品の原材料表示をよく見て頂きますと、加工油脂、植物性油脂、ショートニング、マーガリン等の文字が書かれていると思います。このような物から毎日油脂類を摂取していると、毎日揚げ物を食べていることと同じになります。食事として揚げ物を食べていなくても、高脂血症になりやすくなります。揚げせんべいやドーナッツだって立派な揚げ物であり、揚げてから時間が経過しているものは油が酸化していますので、尚更体に悪いものです。この様に、体に必要なタンパク質を摂らないで、知らず知らずの内に、油脂分を多く摂ってしまっている方が多くいらっしゃいます。

 お肉は、見た目で分かる通りに白い部分と赤い部分があります。白い部分は脂ですので、タンパク質を食べたことにはならず、脂を食べたことになります。タンパク質としてのお肉は赤い部分になります。新陳代謝で常に新しい細胞と入れ替わる為には、タンパク質が十分に供給されていなければなりません。タンパク質は約20種類のアミノ酸から構成されており、その中のひとつであるカルニチンは、体内の脂肪を燃焼しやすくする働きがあります。又、豚肉の赤い部分には、糖質をエネルギー化するのに必要なビタミンB1が豊富に含まれていますので、ダイエット中でもしっかり摂って頂きたいものです。お肉ではヒレやササミ、赤身の部分を「適量」摂取されることが理想的な食生活といえます。(注意:腎臓の機能等が低下されている方は、タンパク質を制限する場合があります。) 


(管理栄養士 立原)