今回は、「思いの外食塩を多く摂ってしまっている食生活」について述べていきたいと思います。皆様は、1日3回主食にご飯を食べていらっしゃいますか?現在、朝は毎日パン食だったり、昼は麺類で済ませてしまう方が増加しています。パンや麺等は粉の加工品ですので、加工の段階で必ず塩が含まれてしまいます。又、バター、マーガリン等にも塩分が含まれますので、6枚切の食パン1枚で塩分0.8g、バターやマーガリンを塗って食べれば塩分は約1.0gになります。レストランで同じおかずを条件として、主食をライスではなくパンを選びますと、それだけ塩分を多く摂ったことになります。昼食を調理パンやサンドウィッチで済ませる方もいらっしゃいますが、中に入る具によって塩分量は思いの他多くなります。麺類のメニューについては皆様よくご承知の通り、塩分が多く含まれます。(汁だけをきちんと残しているつもりでも麺を食べているとき一緒に吸い上げてしまっていたり、麺自体に塩分が含まれていることをお忘れなく!!!)
 ご飯には塩分が含まれず、粉の加工品ではありませんので良く噛まなければならず、薄味のおかずでも食べることが出来ます。又、必ずおかずが必要な為、栄養素のバランスも整い易くなります。ご飯にマーガリンとジャムを塗って食べる人はほとんどいません。ナトリウムの排泄にはカリウムが必要になりますが、おかずの無い食事では不足する場合があります。お米の1人当りの消費量は50年前と比べると約半量となっています。お米は唯一日本が自給率100%を確保出来る食べ物です。今国民はそのお米を軽んじ、原料の小麦粉を輸入に頼らなければならない粉の加工品の食事を選んでいます。塩分を摂り過ぎない為には主食をご飯にし、薄味の栄養素のバランスが整ったおかずを食べることである、と私は思います。実はこのような食事は、全ての方、特に現在メタボリックシンドロームと言われる内臓脂肪型肥満を共通の要因として、高血圧、高脂血症、高血糖等の症状がある方にとって理想の食事となります。もちろん、ご飯を主食にしても味付けの濃い、塩分の多いものを多く食べていれば好ましくありません。ご飯を主食にした薄味で栄養素のバランスが良い食事は、カロリーの過剰摂取をも防ぐことにもなりますので、ぜひ実行なさって下さい。
管理栄養士  立原