MRI装置を更新しました。今回導入したのは日立社製のオープン(開放)型MRI装置(AIRIS
Elite/エアリス・エリート)です。 一般的な超伝導型のMRI装置は磁石の特性上、狭いトンネルに閉じ込められるような形になります。また、撮影時に出る音も大きく検査を受けられる方にとっては、苦痛に感じる方もいらっしゃるかもしれません。一方、開放型のMRI装置は永久磁石を使用し、上下の磁石で挟み込むような形(2本の柱以外は開放されている)になります。音に関しても超伝導型と比べて小さくなっています。閉所恐怖症の方を始めとして小児やお年寄りなど、MRI検査が苦手な方でも『これならば大丈夫』という安心感を持っていただけると思います。 更新前と同様に永久磁石を利用した開放型ですが、今回導入されたMRI装置には大きな特徴があります。磁場強度が増すことによる基本性能の向上です。ほとんどの検査が40分前後から30分前後に短縮されます。また、呼吸止めの検査も時間が短縮され、今まで呼吸止めは30〜40秒かかっていましたが約20秒での撮影が可能となり、検査を受けられる方の負担は大幅に軽減されます。性能的には超伝導型の高磁場装置に近い性能を持ち、同様の検査を行う事が出来ます。特に急性期の脳梗塞に対する画像は前装置と比較して、より信頼性が向上いたしました。更に、前装置では不可能だった脂肪抑制画像の撮影が可能となりました。脂肪の信号はどの画像でも描出されます。そこで体内にある脂肪の信号を抑える撮影をすることで病変との鑑別が容易になり、診断に大きく役立つようになりました。 もう一つ、大きな特徴として検査台の高さが調整可能となりました。今までは検査台の高さが固定だったため、患者さんに階段を登っていただいていました。歩ける方なら問題は少なかったのですが、車椅子を利用しているご高齢の方や足の不自由な方には階段を登っていただくことは大変な労力となっていましたが、検査台が低く調整できるようになり少ない負担で乗り降りが可能になりました。 |
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(放射線技師 鈴木) |