ウイルス性肝炎などの慢性肝疾患が進行すると肝臓の組織に線維化が起こり、硬くなってきます。この硬さの程度を測定することができれば、慢性肝障害の進行の程度を知ることが出来るのですが、現在、肝臓の硬さを測定する標準的な検査方法は、肝に針を刺して肝組織を採取して調べる肝生検という検査方法です。しかし、患者さんに侵襲性のある検査で、繰り返して検査を行うことはできませんでした。
近年、肝生検に代わり、超音波を使って非侵襲的に肝臓の硬さを画像にする方法(肝エラストグラフィ)が開発され、肝臓の硬さを評価する検査方法として当院でも導入されて、通常の検査として行っています。
当院での肝エラストグラフィ画像の症例を紹介します。
(緑色=柔らかい部分、青色=硬い部分 となります)
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【正常像】
全体的に緑色となっています |
【慢性肝炎】
緑色と青色の部分が混じっていますが、緑色の部分が全体の割合で多くなっています。 |
【肝硬変】
慢性肝炎より青い色の割合が多くなっています。 |
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【脂肪肝】
共に脂肪肝ですが(右側のモニター画像はどちらも深部減衰がある)青色の部分の割合に差が見られます。 |
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【肝膿瘍(陳旧化)】
周囲の組織に比べて、膿瘍の部分が青くなっています(部分的な線維化) |
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