このたび、当院の動脈硬化を検査する機械が新しくなりました。

 従来の機械は、心臓の拍動による血管の振動(脈波)の伝わる速度(脈波伝播速度 PWV)を測定して動脈硬化の程度の指標とする方法でした。

 今回新しく当院に導入された機械は、PWVからCAVIという指数を算出して動脈硬化の程度の指標とする方法です。


【CAVIの検査方法の特徴】

@測定対象とする血管は心臓から足首まで
測定する脈波伝播速度(PWV)は、脈波のスタートである心臓弁の開放した時から、足首に到達するまでの、標準法とされている大動脈原法に即した測定方法と言われています。(従来の方法は、対象血管の始まる部位が不明瞭で、どちらかというと下肢の血管を反映していると言われていました)

A血圧依存性を抑える
CAVIは、血圧に影響を受けない生体の物性を現すβ法という理論に基づいて算出された指数となります。(従来法では、血圧の変化によって測定値も変化すると言われていました)

B血管反射神経の影響を抑えた測定方法
血圧を測定する時、両手両足首を左右別々に測定することで、血管反射神経による血管のけいれんの反応を抑えています。


 動脈硬化度を評価する場合、2つの指標で検査結果を評価し被検者に説明します。
 1つは、左の表のようにCAVI値に対する評価です。
 2つめは、下の年齢グラフで表すように、血管の相当年齢です。

 血管年齢は、血管の老化の度合いを示すには非常に説得力のある指標ですが、重要なのは測定結果がいき値(血管障害が起こるリスクが高くなるCAVI値)を超えているかどうかです。



《 血管年齢判定グラフ 》

 今回のCAVI測定値(縦軸)と被検者の実年齢(横軸)の交差する所に丸印●をマークします。
  相当年齢は、計測値から実年齢と標準偏差を考慮して求め、下矢印線で相当年齢を示します。
  左右のCAVIを測定した場合には右足を黒丸●、左足を緑丸○で表示しています。