〜ウルソ・シキコールの作用〜
人の胆汁酸の中にはデノオキシコール酸という成分が含まれており、これは肝細胞への障害性が強く、胆汁酸の濃度が高くなると、細胞膜が壊されてAST(GOT)値やALT(GPT)値が高くなります。そのため肝細胞保護作用のあるウルソデスオキシコール酸(UDCA)を服用し、胆汁酸中のUDCAの相対比率を上げるとAST(GOT)値やALT(GPT)値が改善してきます。
また、UDCAには肝細胞障害性の強い胆汁酸の流れをよくする利胆作用があります。
○1原発性胆汁性肝硬変(PBC)
原発性胆汁性肝硬変(PBC)は肝臓内の細い胆管が慢性炎症により壊され、胆汁の流れが悪くなり、肝臓内の胆汁酸濃度が高くなることで肝細胞が障害される病気です。
ウルソデスオキシコール酸(UDCA)が第一選択薬で、1日900mg(100mgの錠剤なら1日9錠)まで服用できます。
○2B型・C型慢性肝炎等の肝機能改善
肝炎ウィルスを排除する効果はなく、肝機能を改善して肝炎の悪化を防ぐために使用します。1日600mg(100mgの錠剤なら1日6錠)服用でAST(GOT)値やALT(GPT)値の改善効果が高くなります。
○3胆石の溶解
外殻石灰化を認めないコレステロール系胆石の溶解に使用します。これには、利胆作用が関係し、胆汁中にコレステロールを溶かして排泄します。1日600mg(100mgの錠剤なら1日6錠)服用します。
いずれも長期の服用が必要ですが、副作用は少なく、下痢をおこすことがある程度です。
尚、当院では、ウルソ錠50mg,100mg、シキコール錠100mgの3種類の薬剤を使用しておりますが、成分はどれもウルソデスオキシコール酸です。シキコール錠は、ウルソ錠の後発品(ジェネリック)です。
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